雑貨販売、薬局等小売業の経営者の方から
「在庫を減らしたら、税金が少なくなると聞いたんですけど…」
と質問を受けることがあります。
在庫を減らしても在庫を捨てた場合を除いて税金は少なくなりません。
なぜなら、
売上から販売した商品の原価を引いた金額が粗利益となります。
売上-期首在庫+当期仕入-期末在庫=粗利益
粗利益-経費=利益
利益×税率=税金となります。
利益が大きくなればなるほど、税金が大きくなります。
普通は、販売する=期末在庫が減る=利益が増えるからです。
期末在庫が少なくなれば、粗利益が少なくなります。
結果利益が少なくなり、税金も少なくなります。
販売する=在庫が減る=利益が多くなるのが通常のビジネスです。
在庫が減る=利益が少なくなる…この場合は、「赤字」で販売していることになります。
また、期末在庫を減らす=来期の期首在庫が少なくなるので、結果来年の税金が多くなります。
家電量販店などで決算セールなどがあります。
集客のための「決算セール」もありますが、
決算前に、今後売れそうもない商品を原価より小さい金額の赤字で販売し、
在庫から資金を回収し、赤字を増やし、税金を少なくすることが目的です。
また、売れない在庫を捨てた場合には、
捨てた在庫の原価は、売上から引くことができます。
ですから、今後売れそうにない在庫を捨てることで赤字を増やし、税金を少なくすることができます。
帳簿を操作して、在庫を減らすと粗利益が少なくなり、利益が少なくなります。
しかし、この場合、税務調査が入ると、通常の税金とは別に、
悪質な税金逃れとして重加算税という重たいペナルティを支払うことになるのでご注意下さい。

佐藤修一公認会計士事務所代表、合同会社CMA代表
キャッシュフロー経営コンサルタント 公認会計士 税理士
新日本有限監査法人(現 EY新日本有限責任監査法人)の東京事務所で上場企業の会計監査、総務省委託研究経理検査、内部統制構築支援、財務のデューデリジェンスに従事
その後、地元の福岡の中堅の税理士法人にて、中小企業の経営を会計、税務面からサポート
試算表ではキャッシュフローが見えない、経営できないと感じ、キャッシュフローを重視した経営の必要性を痛感し、佐藤修一公認会計士事務所を2013年8月に開業
開業後は、創業期の会社から上場準備会社まで中小企業の成長のための投資に備え、倒産しない、筋肉質の会社を作るためのキャッシュフロー経営の普及、freeeやマネーフォワードなどクラウド会計を使った経理の効率化・スピードアップを図り、経営ビジョンの明確化、実現のためのサポートを行っている
北部九州公認会計士協会所属 登録番号 028716
九州北部税理士会 福岡支部所属 登録番号 125272
経済産業省認定 経営革新等支援機関