今日は、自社のECサイトを運営しているお客様との月次の打ち合わせでした。
今後の目標売上高、原価、固定費、粗利益など方針についての話になりました。
次の順番で今後の目標数値について決めていきました。
- 目標利益
- 固定費⇒目標粗利益
- 目標売上・原価
- 目標単価、目標販売数量
- ECサイトの目標コンバージョン率、訪問ユーザー数につなげていきます。
まず、安定した資金繰りを行うために現在の手元資金が少し心もとないので、年間で300万円の増加が必要です。
この資金増加目標金額の300万円を年間の利益目標とし、月間の利益目標の300万円を12で割った25万円と設定しました。
次は、固定費と目標粗利益の設定です。
粗利益-固定費=利益の数式に当てはめていきます。
過去の実績数値をもとに今後の月々の固定費は300万円見込まれます。
すると、目標粗利益の金額は固定費に目標利益を加えた金額になるので、目標粗利益325万円(固定費300万円+利益目標の325万円)となりました。
今度は目標売上高、原価金額の設定です。
売上高×(1-原価率)=粗利益の数式に当てはめていきます。
商品原価率と決済手数料率を加えたものが原価率となります。
このお客様の会社の原価率が65%ですので、粗利率が35%となります。
よって、目標売上高は、928万円=(目標の粗利益325万円÷目標粗利率35%)となりました。
商品に関する目標となる目標単価と目標販売数量です。
目標単価×目標販売数量=売上高の式に当てはめていきます。
このお客様のECサイトの商品の単価は現在平均25000円で、競合が少なくニッチなため、今後大きな変動がなさそうとのことですので目標単価は25000円となりそうとのことです。
すると、目標売上高928万円を目標単価の25000円で割ったが371個が月間の目標販売数量になります。
今度は、ECサイトの月間の目標コンバージョン率(CVR)と目標訪問ユーザー数を決めていきます。
ECサイトの月間訪問ユーザー数×コンバージョン率=目標販売数量がとなるよう設定します。
現在のコンバージョン率が、2.7%で、今後0.1%の改善を見込み、目標コンバージョン率は、2.8%とします。
するとECサイトの月間訪問ユーザー数は、目標販売数量371÷目標コンバージョン率2.8%=月間目標訪問ユーザー数13250となりました。
このように目標数値を決めていきました。
今後お客様は、この自社のECサイトの目標ユーザー数と目標コンバージョン率の達成できるようサイトの改善、SEO対策を行っていくことで、ECサイトを運営していく上で必要な利益、資金を確保していくとのことです。
このお客様は、在庫リスクがゼロに近いビジネスですのでいいのですが、在庫リスクがある場合には、在庫の金額に注意する必要があります。
なぜなら、在庫リスクがある場合、利益とキャッシュのズレが大きくなるため、在庫に関する目標を設定し、計画的に資金繰りを行っていく必要があるのでご注意ください。

佐藤修一公認会計士事務所代表、合同会社CMA代表
キャッシュフロー経営コンサルタント 公認会計士 税理士
新日本有限監査法人(現 EY新日本有限責任監査法人)の東京事務所で上場企業の会計監査、総務省委託研究経理検査、内部統制構築支援、財務のデューデリジェンスに従事
その後、地元の福岡の中堅の税理士法人にて、中小企業の経営を会計、税務面からサポート
試算表ではキャッシュフローが見えない、経営できないと感じ、キャッシュフローを重視した経営の必要性を痛感し、佐藤修一公認会計士事務所を2013年8月に開業
開業後は、創業期の会社から上場準備会社まで中小企業の成長のための投資に備え、倒産しない、筋肉質の会社を作るためのキャッシュフロー経営の普及、freeeやマネーフォワードなどクラウド会計を使った経理の効率化・スピードアップを図り、経営ビジョンの明確化、実現のためのサポートを行っている
北部九州公認会計士協会所属 登録番号 028716
九州北部税理士会 福岡支部所属 登録番号 125272
経済産業省認定 経営革新等支援機関