福岡県の税理士事務所の佐藤修一公認会計士事務所の佐藤と言います。
福岡県がコロナの影響で売上減となった中堅・中小企業向けに行った政策で「福岡県持続化緊急支援金」が5月2日からオンライン申請がスタートしました。
個人事業主も対象となる支援金で、法人は最大50万円、個人事業主は最大25万円を受給することができます。
本ブログでは、「福岡県持続化緊急支援金」の申請要件、申請期間等の概要について説明しています。
また、同じく5月1日よりオンライン申請がスタートしたコロナの影響で売上が減少した場合の国の支援策の「持続化給付金」との関係、特に福岡県の「福岡県持続化緊急支援金」と2重受給が可能なのかどうかについて解説しています。
福岡県持続化緊急支援金は前年同月期比で30%以上50%未満の売上減少が生じている場合に受給でき、基本的に持続化給付金は、前年同月比で50%以上の売上減少が生じている事業者が受給対象となっています。
国の「持続化給付金」は法人は最大200万円、個人事業主は最大100万円の受給が可能となっており、福岡県の「福岡県持続化緊急支援金」と国の「持続化給付金」の両方を受給できれば、法人は最大250万円、個人事業主は最大125万円を受給できることになります。
そして、一定の条件を満たせば、国の「持続化給付金」と福岡県の「福岡県持続化緊急支援金」の両方を受給することは可能となっております。
コロナの影響で見通しが立たず、資金繰りが厳しい事業者の方で、当制度を活用し、少しでも当面の資金繰りの安定にお役立ていただければと思います。
福岡県持続化緊急支援金の概要と持続化給付金の違いを説明しつつ、どのような条件を満たせば、福岡県の「福岡県持続化緊急支援金」と国の「持続化給付金」の両方を受給できるかを解説していきたいと思います。
目次
福岡県持続化緊急支援金の概要
福岡県持続化緊急支援金は、基本的には国の「持続化給付金」の対象にならないコロナによって売上が減少している法人・個人事業主を救済するための支援金です。
福岡県持続化緊急支援金の申請要件
福岡県持続化緊急支援金の申請要件は以下の3つとなっています。
- 2020年1月以降新型コロナの影響で一月当たりの売上が前年同月比30%以上50%未満減少している
- 2020年1月以降前年同月比で売上が50%以上減少している月がないこと
- 国の「持続化給付金」を申請していないこと
一方、国の持続化給付金の申請要件はコロナの影響で売上が前年同月比50%以上の減少となっています。
つまり、売上減少割合の違いによって福岡県持続化緊急支援金か持続化給付金に該当するのかが決まるのです。
福岡県持続化緊急支援金の売上減少割合:前年同月比30%以上50%未満(30%~49%)
持続化給付金の売上減少割合:前年同月比50%以上(50%~)
但し、いずれか一方しか受給できないというわけではありません。
以下の2つをいずれも満たすことが出来れば、持続化給付金と福岡県持続化緊急支援金の両方を受給することが可能となるのです。
- 2020年1月~4月までの各月の前年同月比の売上減少割合が30%以上50%未満
- 2020年5月以降の前年同月比の売上減少割合が50%以上
この場合、まず、売上減少割合が前年比で30%以上50%未満になったタイミングで福岡県持続化緊急支援金を申請します。
その後5月以降の売上が前年同月比で50%以上減少したタイミングで国の持続化給付金を申請すれば、福岡県持続化緊急支援金と持続化給付金の両方を受給することができるのです。
また、5月以降に受給された福岡県持続化緊急支援金の受給金額は、5月以降の売上に含まれず、純粋な売上の減少割合で計算することができます。
次に申請期間について説明したいと思います。
福岡県持続化緊急支援金の申請期間
福岡県持続化緊急支援金の申請期間は以下の様になっています。
2020年5月2日(土曜日)~緊急事態解除宣言がなされた日の翌月末(最長2021年1月15日)
仮に緊急事態解除が2020年6月5日だった場合、2020年7月31日が申請期限となります。
一方、持続化給付金の申請期間は2020年5月1日~2021年1月15日までとなっており、比較的時間的な余裕があります。
福岡県持続化緊急支援金の申請期間は緊急事態解除のタイミング次第ですが、短くなる可能性がある点ご注意ください。
また、1月から4月までの売上減少割合が30%以上50%未満で、5月以降に売上減少割合が50%以上となった場合に、先に国の持続化給付金の申請を行い、その後福岡県持続化緊急支援金の申請を行うことはできませんのでご注意ください。
必ず、「福岡県持続化緊急支援金の申請」⇒「持続化給付金の申請」の順番で申請を行うことが必要です。
福岡県持続化緊急支援金の申請書類
法人の場合のみ
・申請月の前事業年度と前々事業年度の別表一(税務署の収受日付のあるもの)
・申請月の前事業年度と前々事業年度の法人概況説明書
個人事業主の場合のみ
・2019年の確定申告書の第一表(税務署の収受日付のあるもの)
・2019年の所得税青色決算申告書
2019年の確定申告が完了していない場合には、2018年の確定申告書類
法人と個人事業主の共通
・2019年1月~申請月の前月までの月単位の売上が分かる基礎資料
・通帳の写し
・その他事務局が必要と認める資料
福岡県持続化緊急支援金の給付額
個人事業主の給付金の計算方法
・2019年の総売上ー前年比30%以上50%未満となった月の売上×12か月‥上限25万円
法人の給付金の計算方法
・前期の総売上ー前年比30%以上50%未満となった月の売上×12か月‥上限50万円
例えば、法人の場合で前年の売上が3000万円、前年の4月の売上が250万円、今年の4月の売上が150万円だった場合、売上減少割合は(250-100)÷250=40%となり、福岡県持続化緊急支援金の対象となります。
この場合の福岡県持続化緊急支援金の給付金は、以下の様に計算されます。
3,000万円-150万円×12か月=1,200万‥1,200万円<上限50万円なので、福岡県持続化緊急支援金の給付金は50万円となります。
更に、5月に入り、前年売上260万円だったのが、売上が100万円まで減少した場合、売上減少割合は(260-100)÷260=61%となり、持続化給付金の対象となったとします。
この場合、持続化給付金の給付金は以下の様に計算されます。
3000万円-100万円×12か月=1,800万円‥1,800万円<上限200万円なので、持続化給付金の給付金額は200万円となります。
以上のように4月までの売上、5月以降の売上が減少すれば、福岡県持続化緊急支援金の給付金額50万円、持続化給付金の給付金額200万円、合計250万円を受給することが可能です。
福岡県持続化緊急支援金のまとめ
以上のようにあくまで福岡県持続化緊急支援金は、国の持続化給付金の受給までには至らない売上減少が生じている事業者が対象となっていますが、現在のところ福岡県は、2つの給付金を受給された場合は、返還要請しない方針とのことです。
しかし、当然ですが、このタイミングで売上が前年同月比で50%以上減少しており、持続化給付金の受給できる事業者の方が、資金繰り的には厳しくなっているケースが多いと思います。
「資金繰りが厳しい事象者の方ほど手厚い支援を受けるべき」という観点からは、もしかしたら今後福岡県持続化緊急支援金と持続化給付金の2重受給されることについては見直しが入る可能性がないとは言えない点はご留意ください。
先日上海のお客様とお話ししましたが、上海ではすでに終息に向かっており、5月から通常営業活動がスタートする企業が多いようです。
終息のタイミングまでどうにか事業を継続させるため、各種制度をできる限り活用しながら、コロナを乗り切るためにお役立ていただければ幸いです。
福岡県持続化緊急支援金の相談窓口
TEL:0570-094894(平日9時から17時)
5月は土日、祝日も開設
佐藤修一公認会計士事務所代表
(九州北部税理士会福岡支部所属:登録番号028716)
公認会計士・税理士。全国の中小企業にこれまでクラウド会計導入実績累計300社超、クラウド会計導入率70%超。2022年freee西日本最優秀アドバイザー、マネーフォワードプラチナメンバー。
(株)インターフェイス主催第18回経営支援全国大会優秀賞。
全国各地の中小企業に対して、会計から利益とキャッシュを稼ぐ力を高め、キャッシュフローを重視した節税提案、利益とキャッシュを稼ぐ力を高めるサポートや事業再生支援を行っている。
総勢30名のスタッフで「Warm Heart(温かい心)&Cool Head(冷静な頭)」をコンセプトに個々のお客様ごとにカスタマイズしたお客様に寄り添うサービスを提供している。