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中古車や中古の建物、中古の機械等の中古資産を購入した場合は、通常の耐用年数とは異なる耐用年数となります。

以前出版された「なぜ社長は中古の4ドアのベンツを買うのか」にあったように、

中古車を購入すると新車を購入した場合に比べ、耐用年数が短くなります。

すると、経費に早めにすることができ、新品の資産に比べ、節税効果が見込まれます。

ただ、中古車を購入する節税は個人的にはお勧めしません‥

なぜなら、中古車を購入する節税は、節税前より資金が減少してしまうからです。

どんなに高い税率の場合でも支出した金額以上に税金額減ることはなく、税金が節税の目的である手元資金を増やすどころか、手元資金が減少してしまうからです。

 

下記の記事では、「中古車を購入する節税をおすすめしない理由」について詳しく解説しています。

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中古の資産耐用年数の計算方法は、原則的には、購入した時点で「あと何年使い続けることができるかを見積もり」、見積もった年数を耐用年数として、減価償却費の計算を行います。

しかし、通常、購入した中古資産を残り何年使うことが出来るか、見積もることは困難です。

この場合、次のように中古資産の耐用年数を見積もり計算します。

この方法は、簡便法と言います。

この簡便法を使う場合には、以下の2つの点で注意が必要です。

①購入した時点で、中古資産の経過期間が耐用年数を全部を経過しているか、全部を経過していないのか⇒経過期間が耐用年数を超えているとそうでない場合には、見積もり方法が異なる

 

②事業に利用するに当たり、新品価格の50%を超える金額の改造・改良を行っているか⇒このような改造・改良を行っている場合には、新品と同じ耐用年数となる

 

ここで経過年数とは、資産を新品の状態で最初に事業に使い始めた時から購入後、事業に使い始めた時までの期間の事を言います。

車であれば、車検証に記載されている「初年度登録年月」から購入し、「事業に使い始めた」年月までの期間をもって経過年数とします。

以下では、新品価格の50%を超える金額の改造を行っていない場合で、具体的な事例で中古資産の耐用年数の計算方法を説明していきます。

中古車の耐用年数の具体的な計算方法

ここでは中古資産の購入で一番多い軽自動車以外の普通車を購入したケースで耐用年数を計算してみます。

まず、新品で購入した場合の耐用年数を調べると普通自動車の耐用年数は6年です。

資産の耐用年数の一覧はこちら

先述しましたが、購入した中古の資産が新品の耐用年数を購入時点で経過しているかどうかによって耐用年数の計算方法が異なるため、耐用年数と購入時点の経過年月を比較します。

購入した中古車が3年落ちの場合と8年の場合で考えてみると以下のようになります。

購入した中古車が8年落ちの場合 6年<8年 ⇒①耐用年数の全部を経過している

購入した中古車が2.9年落ちの場合 6年>2.9年 ⇒②耐用年数の全部を経過していない

以下では①耐用年数の全部を経過している場合と②耐用年数の全部を経過していない場合でそれぞれ耐用年数の計算方法をご説明していきますが、その前に、計算方法の注意点が重要なので先にご説明します。

 

計算方法の注意点

計算上の注意点ですが一年未満の端数の処理方法がややこしいです。

①中古資産の経過期間は一年未満の端数が生じる時は、月数に直して計算する。

計算結果の中古資産の耐用年数に1年未満の端数が生じる場合は、1年未満を切り捨てる
計算途中で生じた1年未満の切り捨ては行いません。

③計算結果の中古資産の耐用年数が2年より小さい場合には、2年とします。
・経過した月数が不明のときは、構造、形式、表示されている製作時期などから判断します。

①購入した中古資産の経過期間が耐用年数の全部を経過している場合の計算方法

まず、計算方法がシンプルで簡単な①耐用年数の全部を経過している場合には以下の計算式で耐用年数を計算します。

中古資産の耐用年数=新品の場合の耐用年数×20%

8年落ちの中古車の場合で考えると、新品の耐用年数が6年なので、6年×20%=1.2年となります。

 

後述しますが、2年未満の場合には耐用年数が2年となるため、8年落ちの中古車の耐用年数は2年となります。

耐用年数2年の定率法の償却率は1.00なので中古車を年度の初月に購入した場合、購入金額から1円を除いた金額が減価償却費として経費になります。

1円を除く理由は、資産を保有していることを帳簿に残すためです。

中古車の購入金額のほぼ全額が経費になることになり、購入した期の経費はかなり増えることになります。

 

購入した中古資産の経過期間が耐用年数の全部を経過していない場合の計算方法

次は、計算方法が少し複雑な耐用年数の全部を経過していない場合の耐用年数の計算方法について説明します。

中古資産の耐用年数=(新品の場合の耐用年数-中古資産の経過期間)+(中古資産の経過期間×20%)


2年9か月落ちの普通中古車を購入した場合で上記の計算式と注意点を参考に耐用年数を計算します。

新品の普通自動車の耐用年数6年>経過期間2年9か月…よって、耐用年数の全部を経過していない場合の計算式となります。

中古資産の経過年数は、2年9か月
⇒まず、経過期間に一年未満の端数が生じているため、注意点①より、月数に直します。

中古資産の経過月数=33か月(2年×12か月+9か月)

上記計算式「耐用年数の全部を経過していない場合の計算方法」に当てはめます。

中古資産の耐用年数=(新品の耐用年数6年×12か月-中古資産の経過期間33ヶ月)+(中古資産の経過期間33ヶ月×20%)
=45.6か月となります。⇒この計算途中で生じた1年未満の端数の切り捨て処理は行いません。

45.6か月を年数に直すと3年9.6ヶ月となります。

注意点②より、計算結果の中古資産の耐用年数に一年未満の端数が生じているため、1年未満を切り捨てます。

3年9.6ヶ月⇒3年>2年…計算上の注意点③より計算結果の耐用年数が2年より大きいため、中古資産の耐用年数は3年となります。

 

まとめ

以上のように中古資産の耐用年数の計算方法は、耐用年数の全部を経過していない場合には、計算方法が複雑です。

そして、一度計算した耐用年数は、その後、変更することはできず、中古資産の金額が多額になる場合には、利益に対するインパクトが多いため、慎重に研鑽する必要があります。

耐用年数の基本的な考え方は、通常の利用をした場合に利用可能な期間です。

そして、上記の計算方法によると中古マンションや特に木造戸建ての不動産を購入した場合、実際の利用可能期間に比べ計算した耐用年数が非常に短くなってしまうケースがあります。

このような場合には、一筋縄ではいきません…

原則的な耐用年数の見積もり方法の考え方に則り、主観的に耐用年数を見積もるのではなく、第三者、できれば購入した資産に関する専門家の意見を踏まえながら決定していくことが大切になるかと考えております。

 

くどいようですが、よく耳にするため繰り返しますが、中古車を購入する節税方法は、しない方が良いと思います。

理由は、手元のキャッシュフロー最大化する観点からすると反する方法だからです。

【関連記事】

 

300万円で8年落ちの中古車を購入した場合と新車を購入した場合で考えてみます。

通常、8年落ちの中古車の方が新車で購入した場合に比べ、次の買換えまでの期間が短く、車検コスト・修理・保守費用が多額になります。

仮に以下のようなケースで保有期間中の1年あたりのコストを比較してみます。

単位:万円8年落ち3年落ち
車両価格300300
利用可能期間5年6年
1年あたり車両価格6050
1年あたり車検・修理・保守コスト2010
1年あたり車両価格+車検・修理・保守コスト8060

以上は、あくまで仮想の数値ですが、1年あたりのコストで考えると新車の場合比べ、中古車の方が高くなってしまうことが多いと思います。

中古車の場合は、目先の税金を減らすことができますが、長期的に考えるとキャッシュフローは少なくなってしまいます。

中古車の購入目的が節税とならないようご注意ください。

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