税金は、経営する中で生じるコストの中で、唯一何にも見返りがないコストです。
そして、非常に大きなコストとなってしまいます。

法人だと利益の24%~38%、個人だと最大50%がその意味のないコストを支払うことになります。

払っても意味がないなら、誰でも、そんな大きなコスト払いたくないのは当たり前です。

しかも、払ったら、払ったきり戻ってきません。

感情的にそんな税金を払うぐらいなら、大切に稼いだお金は、別のことに使った方がいいと思うのは当然です。

お客様にこれからの話をすると最初ほとんど煙たがられます。

真面目な税理士が何か言っているよ程度にしか聞いてもらえません。

あるお客様の決算が近づき、税金が多く出そうな時、

お客様から「税金を減らしたい」との相談がありました。

当然のことだと思います。

そのご相談に応えるため“税金を減らすため、何かご提案したい”という気持ちに駆られました。

資金を使う税金対策のご提案をしようかと考えました。

節税のご提案により、“節税できた”とお客様は喜ばれるかもしれません。

しかし、本当にそれでいいのか?と考えました。

そのお客様は、今まで多くの資金を節税のために使っていました。

前年度の決算時にかなりの利益がでていました。そこでかなりの金額の税金対策を行っていました。
昨年決算対策後2か月後ご相談に来られ、お客様はこうおっしゃいました。
「創業20年来こんな厳しかったことはない、何でこんなに利益がでていて税金対策もここまでしたのに資金繰りがこんなに悪いのか分からない、どうにかして下さい」とのご相談を受けました。

仮に、そのお客様がこれまで行ってきた税金対策を行わなかったら、場合の資金繰りを計算してみました。

その結果、なんと借入金は半分になりました。

返済額は半分になり、利息負担は軽減してました。

節税していなかったらずっと資金繰りは楽になっていたはずなのです。

税金対策の目的は、資金繰りを良くすることです。
資金繰りを良くする目的のために行っている税金対策が逆に資金繰りを悪くしていました。

税金対策に資金を使った金額より多くの税金は絶対に減ることはありません。

このようにくどくどとご説明しているのは、資金繰りに悩んでいるにも関わらず、税金対策と信じて、事業のためには必ずしも必要ではない節税対策を行っている会社を見てきたからです。

また、税金対策を行わなければ、大事なビジネスチャンスの際に、資金繰りに悩むことなく、もっと積極的に資金を使えた会社を見てきたからです。

お客様の中で、当初ご依頼の目的が節税の方もいらっしゃいます。

節税への今でもご興味は皆さんもっていらっしゃいますし、当然持つべきだと思います。

しかし、ご契約後、時間はかかりますが、以上の事を数値でご説明すると徐々にお客様の関心がどのように多くの資金を残すかに移っていかれます。

今まで担当した会社で上場企業並みの規模で、収益性が高く、財務内容も素晴らしい会社の社長とお話しさせていただいた際、社長はきっぱりとおっしゃっていました。

「節税を目的とした支出は企業体力を弱めます。ですから節税目的の支出はしません」

資金会計理論というお金を残す会計を研究していた税理士の父は、常々、言っておりました。

「一番の節税とお金を残す方法は、普通に税金を払うこと」

一般的には、法人税の税率が高いため、「税金の少なくすること」=「資金が多く残る」と錯覚してしまいがちです。

利益から納めなければならない税の構造とその税率の高さが一番の問題です。

これが、錯覚を生み、企業の成長をストップさせている一面があると考えております。

毎年、税金を減らすために資金を使っている場合は、毎年、企業の体力を徐々に弱めていきます。

税金を減らすために使う資金は苦労して獲得された大切な「儲け」です。

「儲け」は大切に使っていただきたいのです。
「儲け」は、将来のために大切な備えです。
理由はこちら

本当の「儲け」の資金は使い道に制限なく、自由なので、失敗する可能性のある投資のリスクを負担するには一番適しています。

当期は、税金が出そうだし、○○を買っておこうかな?ということはないでしょうか?
  
決算前のお金を使う目的・気持ちが「税金を払うぐらいなら‥」と税金を減らすためとはなってはいないでしょうか?

誤解していただきたくないのですが、支出を一切抑えて下さいと言っているわけでありません。

将来の利益を増やすための税金対策のご提案はさせていただきます。

自信を持って税金を納める勇気が将来の企業の発展、利益の増加につながると考えております。

当然、最終的には経営者のご判断です。